
Bonjour🇫🇷
【Le petit Prince】=星の王子さま
サン=テグジュペリの哲学を消さないように意味の翻訳をしています。
子供にも大人にも深く響く物語です。
人間として大切なコトがたくさん詰まっています。
ぜひ、大人も子供も同じ歩幅で読み返してくれたら嬉しいです。
🐏👇⭐️前回までのSTORY🌏《2》
【第3章】『王子さまの星のこと』
私には王子さまが、どこから来たのかを理解するのは
とても長い時間がかかった。
王子さまは、
私に、たくさんの質問をしてきたのに、
私が王子さまに質問をする言葉は、聞こえていないように見えた。
もしくは、
答えたくないようにも見えた。
そうして、
彼が、私の乗ってきた飛行機に気付いて、
問いかけてきた。
この会話をきっかけに彼のことを少しずつ分かっていくことになる。
王子さまは私に聞いてきた。
『あれは、いったいなに?変な形をしてるよね?』
私は、飛行機を知らない王子さまに驚いた。
『えっ?君は飛行機を知らないの?これは空を飛ぶんだ。私は、これに乗ってここまで来たんだ。』
ちょっと飛行士であることを自慢げに話した。
そうすると
彼は大きな声で放った。
『どうやって?じゃあ、君は空から落っこちてきたっていうこと?』
そう聞かれて、確かに落ちてきたことには変わりない。
『うん、そうだよ。』と答えた。
『へぇ?! そんなことある??変なの。』
そう言って王子さまは無邪気に笑っていた。
あまりにも無邪気に笑うので、少し馬鹿にされた気持ちになった。
私は、飛行機が故障して、この砂漠に降り立ってしまったことを
もっと真剣に聞いてくれると思っていたから。
そして
王子さまは、私に質問を続けた。
『それじゃあ、
君も空から来たんだよね?君はなんて言う星から来たの?』
星という言葉に違和感があったが、私は王子さまに質問返した。
『君は、この星とは違う星から来たってこと?』
でも、
彼は言葉は、発さずに、私の飛行機を見ながら静かにうなずいていた。
そして
彼はポツリとこう言った
『こんなもので、そんなに遠くからここまで来れるはずないよね…?』
そこから長い間、沈黙が続いた。
そうすると
彼は何を思ったか、
私の書いた羊の絵をポケットから取り出して、
その絵を大事そうに見ながら、彼はまた沈黙していた。
王子さまが他の星から来たと言う話を私はもっと聞きたいと思ってしまった。
この話が本当なのか、真実を確かめると言うよりは、好奇心で王子さまに質問を続けた。
今思えば、
私は子供を操すかのように、王子さまに話しかけていたかもしれない。
『君はどこから来たの?君の家はどこなの?君は私の描いた羊をどこに連れて行きたいの?』
王子さまは私の質問を遮ることもなく、
一旦受け止めたようにも見えたが、彼は唐突に話し始めた。
『君が描いてくれた僕の羊が入ったこの箱は本当に素晴らしいよ。
夜の間、僕の羊が眠るための家になるよね。』
その言葉を切らさないように、私は王子さまに続けた。
『もちろんだよ。羊はゆっくりと休める。
もしよかったら、昼の間も羊が逃げ出さないようにつないで置くための綱も書いてあげるよ。』
そうすると
王子さまはびっくりしたような不可解な顔をして言った。
『どうして羊をつないでおくの?すごく変なこと言うよね?』
私はすぐに返した。
『どうしてって、
羊をつないでおかないと逃げ出してしまうよ。戻って来ないと困るでしょう?』
そうすると
彼はまた無邪気に大笑いをした。
私は、少しムッとしながら、
『君は、大切な羊が居なくなってもいいってこと?』
そうすると
王子さまは真剣な眼差しで静かに私に答えた
『心配しなくても大丈夫だよ。僕の星は本当に小さいからね。
もし羊が逃げ出したとしても、そんなに遠くに行けるはずがないから。』
この翻訳は、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる原作
『Le Petit Prince』✈️
(1943年、Éditions Gallimard)をもとにしています。
原文に書かれたフランス語の直訳は避け、言葉の奥にある温度、感情、哲学のようなものに丁寧に耳を澄ましながら、一つひとつの言葉を日本語として再構成することを目指しました。
文法的な正確さよりも、この物語の根にある人間の本質、そして沈黙のような部分を損なわずに届けることを大切にしています。これはいわゆる“専門的な翻訳”ではありませんが、長年『星の王子さま』を心の中で大切にしてきた一人の読者として、誠実に向き合った試みです。
サン=テグジュペリという人の眼差しと、彼が遺してくれたこの物語に、心からの敬意と感謝を込めて。
avec respect et gratitude, à Antoine de Saint-Exupéry. Traduction de sens:lane 🦊
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