🦩AIと正しく向き合う7箇条の【第7条】
1:AIの思考はアメリカで生まれている
AIは多くの言語を話します。日本語も、中国語も、フランス語も。
今私たちが毎日使っているAIのほとんどは、アメリカ思考が根底にあります。
AIのほとんどがアメリカ企業によって設計されているからです。
日本で使われている代表的なAIを挙げると、
- ChatGPT(OpenAI)
- Gemini(Google)
- Claude(Anthropic)
- Copilot(Microsoft)
- Grok(xAI)
いずれもアメリカ製です。
日本国内で開発されたAIは、現時点ではごくわずかにとどまっています。
AIは日本語を話しても、その内部では英語的な思考を行い、
それを日本的に寄せて翻訳して出力しています。
つまり、AIは英語で考えて日本語を話す存在です。
そのため、答えの構造や価値判断には、各国や文化に寄せていても根底には
アメリカ的な文化や論理が反映されていることを理解しておくことです。
2:文化がつくる「思考のクセ」
AIの背景にあるアメリカ的思考は、次のような特徴を持っています。
- 明確さを重視し、曖昧さを嫌う
- 効率とスピードを優先する
- 個人の意見や自由を尊重する
- 結論を早く求める
一方で、日本的な思考は対照的です。
- 曖昧さを許容し、調和を重んじる
- 慎重に時間をかけて決める
- 集団のバランスを大切にする
- 結論を急がず、過程を重視する
どちらが良い悪いではなく、
異なる文化的アルゴリズムの問題です。
AIの出す答えは、その文化の上に成り立っています。
たとえば、「甘え」という日本語の概念をAIに説明させると、
それらしい定義は返ってきますが、本質には届きません。
なぜなら、「甘え」はアメリカ文化には存在しない心の構造だからです。
AIはその体験も、社会的文脈も持たないのです。
3: AIは「道具」ではなく「価値観を持つ存在」
パソコンやスマートフォンは単なる道具であり、使う人によって結果が変わります。
しかし、
AIは違います。AIは「意見」や「判断」を提示します。
その中には、設計者の文化的価値観が入り込んでいます。
だからこそ、AIの答えを使うときには、
それがどの文化の視点から語られているのかを意識する必要があります。
4:AIとの基本的な向き合い方
AIが、ほぼアメリカ基準であることを前提として受け止めましょう。
そのうえで、以下のように活用することが重要です。
方法1:AIの答えを疑う
AIが「これが最善です」と言っても、
それは「アメリカ的には最善」という意味かもしれません。
「日本ではどうだろう?」と一度立ち止まって考えてください。
方法2:自分の文化的視点を加える
AIが「効率的に進めよう」と言うなら、「慎重に考えることも大切」と補ってみる。
AIが「個人の自由が大切」と言うなら、「周囲との調和も大事」と考える。
こうして、バランスを取ることでAIの答えを自国の文化に適応できます。
方法3:他国のAIを試す
フランスのMistral、中国のDeepSeekなど、異なる文化圏のAIを試してみてください。
その差異を感じ取ること自体が、AIリテラシーの一部です。
方法4:自分の文化を手放さない
AIの意見を参考にしながらも、最終的な判断基準は自分の文化・価値観に置くこと。
AIは補助者であって、思想の中心ではありません。
5:子供にどう伝えるか|文化の違いを知る力を育てる
子供がAIを使うとき、
AIの答えを「世界共通の正解」と思い込まないように導くことが大切です。
こうした対話を重ねることで、子供は学びます。
AIの答えは一つの視点であり、文化によって正しさが変わるということ。
自分の文化を理解し、大切にする姿勢が育ちます。
AIの多くはアメリカで開発され、英語的・アメリカ的な価値観で考える。
だからこそ、自国の文化や視点を持って使うことが重要。
子供達には「AIの答えは文化の一つの見方」であると教えてあげましょう。

